スペインサッカー留学の基礎知識

年齢別ガイド(小学生・中学生・高校生)Q&A 14問

何歳からスペイン挑戦を考えるべきか。年齢ごとにできること・できないこと、中学生の単身留学や入団テストの条件まで、FIFA規則との関係を整理します。

年齢別の早見表

サッカー留学は何歳からできますか? 年齢ごとにできることの違いは?

短期のキャンプや練習参加なら、小学生から参加できます。年齢によって変わるのは、「現地の公式戦に出られるか(選手登録)」と「クラブの入団テスト(FIFAの規則でいうトライアル)を受けられるか」です。この2つはFIFAの規則(選手の地位と移籍に関する規則)で決まっていて、スペインに限らず、どの国のクラブでも同じです。

年齢別に見た、スペインでできること・できないこと
年齢短期(90日以内)の練習参加・キャンプ現地の公式戦(選手登録)クラブの入団テスト(トライアル)
小学生できる。親子での参加が現実的原則できない。親がサッカーと無関係な理由で移住した場合などの例外に当たれば、審査を経て登録できることがあるできない
中学生できる小学生と同じ原則できない。16歳の誕生日を迎えるシーズンから
高校生(15〜18歳)できる原則できない。16〜18歳のEU/EEA域内の移籍の例外は、日本からの渡航には当たらない。親の移住などの例外に当たれば、審査を経て登録できることがある16歳の誕生日を迎えるシーズンから、条件付きでできる
18歳以上できる年齢による制限はない。クラブに選ばれることと、滞在資格(ビザ)が別に必要できる。期間は1クラブにつき1シーズンで最長8週間(22歳以上は最長3週間)

FIFA「選手の地位と移籍に関する規則」(2025年1月版)の第19条・第19条の3に基づく。条文の正文は英語です。各国の協会が手続きや条件を追加している場合があります。改正版が2027年1月1日に施行される予定のため、渡航時期に合わせて最新の条文を確認してください。

年齢が上がるほど、できることは増えます。ただし18歳未満のうちは、「行って練習する」ことと「登録して公式戦に出る」ことの間に大きな差があるのが現実です。何歳で行くかより先に目的(体験する・実力を測る・公式戦に出る)を決めると、選ぶべき形が決まります。

中学生が一人で(親と離れて)サッカー留学することはできますか?

できることと、できないことがはっきり分かれます。

  • 夏休みなど90日以内の練習参加・キャンプ: 引率や現地での監護の体制があるプログラムなら、単身でも参加できます。日本国籍なら、この長さの滞在にビザは要りません。
  • 学期をまたぐ単身の長期滞在: 滞在資格と、親に代わって現地で子どもを監護する体制の両方が必要で、実際に選べる道はかなり限られます。制度の詳細は「スペインのビザ・滞在許可」カテゴリの「学生ビザと2025年制度改正」で解説しています。
  • 現地クラブでの選手登録・公式戦出場: FIFA第19条により原則できません。親と離れて渡航する中学生に現実的に当てはまる例外は、学業のための交換留学で、純アマチュアのクラブに登録する場合(登録期間は1年まで)に限られます。
  • クラブの入団テスト(トライアル): FIFAの規則では、16歳の誕生日を迎えるシーズンに入るまでは受けられません。

つまり、中学生が単身でできるのは「体験」と「練習参加」までです。現地の公式戦でのプレーまで目指すなら、家族単位で考える必要があります。まず親の仕事と生活をスペインで成り立たせることが先です。その順序は「親子留学・家族移住」カテゴリの「家族移住のステップと時系列」で解説しています。

スペインのクラブの入団テスト(トライアウト)は何歳から受けられますか?

FIFAの規則は、クラブが期間を決めて選手を試す「トライアル」(入団テストとしての練習参加)に条件を定めています。18歳未満の場合の主な条件は次のとおりです。

  • トライアルの開始が、本人が16歳の誕生日を迎えるシーズンに入っていること(本人とクラブの所在地がともに欧州にある場合は15歳)
  • クラブが親から書面で同意を得ること
  • クラブが本人の連絡窓口となる担当者を決め、適切な宿泊・生活環境と費用の負担を確保すること
  • トライアルは1暦年に2回まで。長さは1クラブにつき1シーズンで最長8週間
  • トライアル中に出られるのは親善試合などで、公式戦には出られない

18歳以上にも長さの上限があり、22歳以上は1クラブにつき1シーズンで最長3週間です。また、トライアルに関連して金銭を求めたり受け取ったりすることは禁止されています(交通費・宿泊費などの条件を、クラブと選手が所定の書式で事前に取り決める場合を除く)。「参加費を払えば入団テストを受けられる」という案内には注意してください。

なお、セビージャFCやベティスのような大型のカンテラは、原則として公開の入団テストを行っていません。スカウトが公式戦で選手を見つけるのが主な経路です(「スペインサッカー事情」カテゴリの「カンテラ(プロ下部組織)への道」)。

小学生

小学生でもスペインサッカー留学はできますか?

できます。ただし現実的なのは、夏休みなどを使った1〜3週間の短期キャンプ型か、親子同伴型です。小学生の単身長期留学は生活面でも制度面でも現実的ではありません。

小学生年代の短期留学で得られるのは、「上手くなること」より「本場の基準を知ること」です。ボール扱いのうまさだけでなく、球際の強さ、判断の速さ、自己主張の文化など、日本との違いを実際に体験できることがいちばんの収穫です。

小学生から行くのは早すぎませんか?

目的次第です。「プロになるために早く行くべき」という考えには根拠が薄く、FIFAの規定上、早く行っても公式戦には出られません。一方、「サッカーを通じて異文化に触れ、視野を広げる」目的なら小学生でも十分に意味があります。

むしろ小学生のうちに親子で現地を見ておくと、中学以降に本格的な挑戦を考える際の判断材料になります。

小学生の子どもだけでキャンプに参加させられますか?

現地クラブ主催のサマーキャンプは現地の子ども向けなので、日本から参加するなら通訳と生活のサポートが欠かせません。プログラムによっては引率付きの単身参加枠もありますが、小学生の場合は親子同伴型を選ぶご家庭が大半です。

中学生

中学生のスペインサッカー留学にはどんな選択肢がありますか?

短期(夏キャンプ・練習参加)、中期(1〜3ヶ月の練習参加)、そして家族移住を伴う本格挑戦の3つです。中学生は心身の成長が進み、現地の同年代(インファンティル/カデーテ)との差をはっきり感じ取れる年代です。そのため短期でも得られるものが大きくなります。

ただし長期の単身留学は、制度の面で難しくなっています。2025年のビザ制度改正で、18歳未満は語学学校経由の学生ビザを取得できなくなったためです。

中学生でスペインのクラブに入団することはできますか?

「入団=選手登録して公式戦に出る」という意味では、原則できません。FIFA第19条で、18歳未満の国際移籍と外国籍選手の初回登録が原則として禁止されているためです。例外は「親がサッカーと無関係な理由で移住した場合」などに限られます。

そのため中学生で本格的に挑戦するなら、子どもだけでは成り立ちません。家族の移住の計画とあわせて考える必要があります。

中学の間は日本で頑張って、高校から行くべきですか?

一概には言えません。判断の基準になるのは、「登録できる体制(家族移住)を作れるか」です。体制を作れるなら、適応力の高い中学生年代で渡ると、言葉を身につけやすい利点があります。作れないなら、日本で実力を磨いて18歳以降に挑戦する方が、制度の面ではシンプルです。

どちらの場合も、短期留学で現地の基準を早めに知っておけば、より確かな判断ができます。

高校生・18歳以上

高校生のスペインサッカー留学にはどんな制約がありますか?

16〜18歳にはEU/EEA域内移動の例外(FIFA第19条2項(b))がありますが、日本人には適用されません。そのため高校生も原則は練習参加型です。公式戦に出るには、親の移住などの例外要件を満たす必要があります。

一方で高校生は、9月の開幕前のプレシーズン(8月下旬)に現地クラブの練習に参加し、自分のレベルを測るのに最も適した年代です。

18歳になれば自由にスペインのクラブでプレーできますか?

FIFA上の年齢制限は外れ、国際移籍と登録ができるようになります。ただし、実力でチームに必要とされることが前提です。また、90日を超えて滞在するには滞在資格(ビザ)が別に必要です。アマチュア契約で滞在資格を得る道筋を作るのは簡単ではなく、ここでつまずく選手も少なくありません。

18歳以降の挑戦を見据えるなら、高校年代のうちに短期で現地のレベルを体験し、語学の準備を進めておくとよいでしょう。

高校を中退してスペインに行くのはありですか?

おすすめしません。プロになれる保証はどの国にもないため、学歴はキャリアの保険として大切です。スペインでの挑戦と日本の高卒資格は両立できます。海外に住んだまま在籍できる通信制高校(NHK学園、ルネサンス高校など)を使えば、現地で生活しながら日本の高卒資格を取れます。

高校卒業後(18歳以降)にスペインでプレーするには、どうやって滞在しますか?

18歳になるとFIFA第19条の年齢制限は外れますが、90日を超えて滞在するには滞在資格が要ります。日本人が使える主な形は次の3つです。

18歳以降にスペインで長く滞在する主な方法
方法概要注意点
学生として滞在認められた教育機関の課程に在籍して、学生の滞在許可を得る就学が滞在の目的なので、通学の実態が必要。詳細は「学生ビザと2025年制度改正」
ワーキング・ホリデー日本とスペインの取り決めによる制度(2017年開始、年間発給枠700人)。申請時に18歳以上30歳以下休暇が目的で、就労は滞在資金を補う付随的なものという位置づけ。子どもや被扶養者は同伴できない。利用は原則1回
仕事を理由とする滞在資格クラブとの契約など、仕事を理由に滞在資格を得る契約の中身によって必要な資格が変わるため、契約前に専門家に確認する

ワーキング・ホリデーの開始年・発給枠・年齢・同伴の条件は外務省の案内(2026年4月1日現在)による。細目は駐日スペイン大使館の案内で確認してください。

どの方法でも、滞在できることと、クラブで選手登録されることは別の話です。実力でクラブに選ばれることが前提になり、登録や契約の条件は個別に確認する必要があります。

大学生や社会人になってからでもサッカー留学はできますか?

できます。FIFAの規則上、18歳を過ぎれば年齢による登録の制限はなく、「高校・大学を卒業してから挑戦する」のは、制度の面では最もシンプルな形です。

年齢によって変わるのは、トライアル(入団テスト)の長さの上限(22歳以上は1クラブにつき1シーズンで最長3週間)と、ワーキング・ホリデーを使えるかどうか(申請時に30歳以下)です。滞在の方法は、一つ前の質問で整理しています。

参考にした一次情報

ご注意

プログラム内容・制度は変更されることがあります。最新情報は各運営者・公的機関の公式情報をご確認ください。

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