スペインサッカー留学の基礎知識
渡航準備・持ち物Q&A 14問
パスポートの残存期間・保険から入国時のEES(顔写真と指紋の登録)や滞在費の証明、コンセントと電圧、モバイルバッテリーの機内ルール、サッカー用具まで。スペインへ渡航する前に準備するものを、チェックリストのように確認できます。
書類・手続き
渡航前に必要な書類は何ですか?
90日以内の短期滞在なら、基本は(1)10年以内に発行され、有効期間が出国予定日から3か月以上残っているパスポート、(2)海外旅行保険の加入証明、(3)往復航空券です。欧州の電子渡航認証ETIASは2026年9月時点でまだ運用が始まっておらず、申請は必要ありません。一方、入国時の生体情報登録(EES)は2026年4月10日から全面的に実施されています。詳しくはこのページの「EESとETIAS」の質問で解説しています。
長期滞在(移住)の場合は、ビザ申請のための書類が必要です。無犯罪証明書、収入証明、出生証明のアポスティーユ+スペイン語翻訳などで、準備に2〜4ヶ月かかります。
パスポートの有効期限は、あとどれくらい残っていればスペインに入国できますか?(子どものパスポートの注意点)
外務省の海外安全ホームページによると、ビザなしの短期滞在(90日以内)でスペインを含むシェンゲン協定の国に入るには、次の条件を満たすパスポートが必要です。(1)10年以内に発行されたもので、(2)有効期間が出国予定日から3か月以上残っていることです。数え始めは「入国する日」ではなく「シェンゲン協定の国を出る予定の日」です。滞在が長いほど、必要な残り期間も長くなります。
| 条件 | 内容 | どこを見るか |
|---|---|---|
| 発行日 | 10年以内に発行されたもの | パスポートの「発行年月日」 |
| 残りの有効期間 | 出国予定日から3か月以上 | 「有効期間満了日」と、帰りの便の日付 |
| 計算の例 | 7月20日にスペインを出る予定なら、有効期間満了日が10月20日以降 | 乗り継ぎで他のシェンゲン協定の国から出る場合は、その日付で数える |
条件は外務省の海外安全ホームページ「スペイン 安全対策基礎データ」に基づきます。有効期間満了日は余裕を持って確認してください。
子どもは特に確認が必要です。日本では18歳未満の人は有効期間5年のパスポートしか申請できません(各都道府県のパスポートセンターの案内による)。大人の10年用より早く期限が来るため、以前の家族旅行で作ったパスポートでは残りの期間が足りないことがあります。未成年の申請には、申請書の「法定代理人署名」欄に親権者などの署名も必要です。残りが3か月を切りそうなら、航空券を確定する前に切り替えを済ませておきましょう。
滞在が90日を超える場合はビザが必要になります。90日の数え方は短期滞在(ビザなし90日)で説明しています。
2026年9月現在、スペイン入国にEESやETIASの手続きは必要ですか?
EES(出入域システム)は、欧州の国境を越えるときに出入国情報を電子的に記録するEUの制度です。外務省によると、2026年4月10日から全面的に実施されています。スペインも対象29か国の一つです。事前の申請や費用は要りませんが、空港などの国境検問所で顔写真と指紋(ビザ不要の日本人は4本)を登録します。初回の入国は通常より時間がかかると見ておいてください。また、パスポートに入国スタンプは押されなくなります。
一方ETIAS(欧州渡航情報認証制度)は、EUの公式サイトが2026年9月時点で「現在運用されておらず、渡航認証の申請は受け付けていない」と明記しています。開始日は、運用開始の数か月前にEUから告知される予定です。そのため、今スペインへ渡航するときにETIASの申請は要りません。
| 項目 | EES (出入域システム) | ETIAS (渡航認証) |
|---|---|---|
| 今の状況 | 2026年4月10日から全面実施 | 未運用。申請は受け付けていない |
| 事前手続き | 不要(国境で登録) | 開始後はオンラインでの事前申請が必要 |
| 費用 | 無料 | 20ユーロ(18歳未満・70歳以上は免除) |
| 子どもの扱い | 12歳未満は指紋を採取しない(現時点) | 未成年の申請は親権者・法定後見人が行う |
| 有効期間 | 出入国のつど記録(申請という手続きがない) | 3年、またはパスポートの失効まで |
外務省およびEU公式サイト(travel-europe.europa.eu)の2026年9月17日時点の記載に基づきます。ETIASの開始日が決まると前提が変わるため、渡航前に必ず一次情報を確認してください。
「ETIASを今すぐ代行申請できる」とうたう非公式サイトに手数料を払わないでください。EU公式サイトは現時点で申請を受け付けていないと明記しており、開始後もETIASの申請はEUの公式サイトまたは公式アプリからのみ行えます。
なお、EESは入出国の日付を電子的に記録するため、「180日のうち90日まで」という短期滞在の上限が自動で計算されるようになります。体験参加や短期留学で渡航を繰り返す場合は、滞在日数の管理がこれまでより厳密になると考えてください。90日を超える滞在にはビザが必要です。詳しくは「スペインのビザ・滞在許可」カテゴリの「短期滞在(ビザなし90日)」で解説しています。
スペインの入国審査で、滞在費を持っていることの証明を求められますか?(2026年の金額)
求められることがあります。スペインの省令(Orden PRE/1282/2007)は、EU以外の国の人が入国するとき、審査官に求められたら滞在費を持っていることを示すよう定めています。全員が必ず確認されるわけではありません。ただ、求められたときに示せないと、入国を断られることがあります。
必要な金額は、スペインの最低賃金(SMI)を基準に決まります。1日あたりは月額の10%で、滞在が短くても1人あたり月額の90%が最低ラインです。2026年の最低賃金は月1,221ユーロ(Real Decreto 126/2026)なので、計算すると次の表のとおりです。
| 項目 | 決まり | 2026年の金額 |
|---|---|---|
| 1日あたり | 最低賃金(月額)の10%×滞在日数 | 1人1日122.10ユーロ |
| 最低額 | 滞在日数にかかわらず最低賃金(月額)の90% | 1人1,098.90ユーロ |
| 日数の数え方 | 入国日から帰りの航空券の出国日まで(両日を含む) | 帰りの便の日付で決まる |
| 例:親子2人で14日間 | 122.10ユーロ×14日×2人 | 3,418.80ユーロ |
| 例:親子2人で7日間 | 7日分は最低額に届かないため最低額×2人 | 2,197.80ユーロ |
金額は省令の決まりと2026年の最低賃金から当サイトで計算したものです。最低賃金は毎年見直されるため、渡航の年の額を確認してください。
示し方は省令に書かれています。現金のほか、トラベラーズチェックやクレジットカードでも示せます。カードで示すときは、口座の明細書か記帳した通帳も一緒に必要です。銀行が出した手紙やインターネットの明細は認められません。省令は、名前入りで日付の決まった帰りの航空券を持っていることも条件にしています。
子どもと一緒に渡航する場合、省令は同行して費用を負担する人数を掛けて計算するとしています。親が子どもの分もまとめて示せるよう、明細書や通帳を手荷物に入れておきましょう。帰りの便の日付と滞在日数の関係は短期滞在(ビザなし90日)も参考にしてください。
海外旅行保険は必要ですか? どんな補償を選べばいいですか?
必須です。スペインの民間医療は外国人には全額自己負担で、骨折の手術や入院になると数十万〜数百万円かかることがあります。サッカーをするので、ケガのリスクは通常の旅行より高いと考えてください。
治療・救援費用が無制限か高額(3,000万円以上が目安)のプランを選んでください。「危険なスポーツ特約」が必要かどうかは、保険会社に確認しましょう。クレジットカード付帯保険だけでは、補償額や期間が足りないことがよくあります。
未成年の渡航で親の同意書は必要ですか?
子どもだけで渡航する場合や片親のみが同伴する場合、航空会社や入国審査で親権者の同意書(英文・西文)を求められることがあります。特にスペインは未成年の出入国管理が厳格です。渡航形態に応じて、公証済みの同意書を準備しておくと安心です。プログラム運営者にひな形の有無を確認しましょう。
持ち物・用具
サッカー用具は何を持って行けばいいですか?
基本は、スパイク(天然芝用と人工芝用の2足あると安心)、トレーニングシューズ、すね当て、練習着の上下を複数セットです。スペインの育成年代は人工芝グラウンドが主流なので、人工芝対応(AG)スパイクの優先度が高めです。
ボールや水筒(1リットル以上推奨)、日焼け止め、キャップも忘れずに。現地のスポーツ用品店(Décimasなど)でも調達できますが、足に合ったスパイクは日本から持参するのが確実です。
夏のスペインに必要な暑さ対策グッズはありますか?
内陸部は40度を超える日もあるため、帽子、サングラス、冷感タオル、経口補水液のパウダー、日焼け止め(SPF50+)は必携です。練習は朝や夕方に組まれることが多いものの、日中の観光や移動でも体力を消耗します。
なお宿泊先はエアコン付きか事前に確認してください。スペインの古い住宅にはエアコンがないことも珍しくありません。
常備薬や医薬品はどうすればいいですか?
普段使っている薬は、日数分に予備を足して持参してください。処方薬は、薬剤名がわかる英文の説明書きを用意しておくと、通関や現地での受診のときに安心です。スペインの薬局(Farmacia)は充実していて、鎮痛剤や胃腸薬などは現地でも買えます。それでも、使い慣れた日本の薬があると心強いです。
日本の充電器や家電はスペインでそのまま使えますか?(コンセントと電圧)
コンセントの形と電圧が日本と違うため、そのままでは使えません。スペインの電気は標準電圧230V・周波数50Hzです(スペインの低圧電気設備規則による)。日本の家庭用の標準電圧100Vの2倍以上にあたります。住宅の一般用コンセントは接地(アース)付きの丸い2本ピン用で、日本の平たい2本ピンのプラグはそのまま挿さりません。
| 項目 | 日本 | スペイン |
|---|---|---|
| 標準電圧 | 100V | 230V |
| コンセントの形 | 平たい2本ピン | 丸い2本ピン(接地付き) |
| 日本の製品を使うには | — | 変換プラグは必須。100V専用の製品は変圧器も必要 |
電圧・コンセントの規格はスペインの低圧電気設備規則(RD 842/2002)と日本の電気事業法施行規則に基づきます。
持って行く製品は、本体や充電器の「INPUT」表示を確認してください。「100-240V」のように幅がある製品(スマホ・タブレット・ノートPCの充電器、カメラの充電器などに多い)は、変換プラグを付けるだけで使えます。「100V」とだけ書かれた日本国内専用の製品(ヘアドライヤーやヘアアイロンなど熱を出す家電に多い)を変換プラグだけで挿すと、故障や発熱の原因になります。変圧器を使うか、現地で購入する方が確実です。
変換プラグは丸い2本ピンの形(一般に「Cタイプ」と呼ばれるもの)を、家族で充電する機器の数に合わせて複数用意しておくと、ホテルや宿泊先で困りません。日本の電源タップ(延長コード)を変換プラグにつなぐ場合は、タップ自体が海外の電圧に対応しているか、定格電圧の表示を必ず確認してください。
モバイルバッテリーは飛行機に持ち込めますか?(2026年4月からの新ルール)
持ち込めますが、2026年4月24日から機内のルールが厳しくなりました。国土交通省によると、機内に持ち込めるモバイルバッテリーは2個まで(1個160Wh以下)です。機内でモバイルバッテリーを充電することと、モバイルバッテリーでスマホなどを充電することも禁止されました。国際民間航空機関(ICAO)の国際基準が改訂されたことに合わせた変更です。
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 預け荷物(スーツケース) | 入れてはいけない。必ず機内に持ち込む |
| 容量 | 1個160Whまで。160Whを超えるものは持ち込めない |
| 個数 | 2個まで(2026年4月24日から) |
| 機内での充電 | モバイルバッテリーへの充電も、モバイルバッテリーからスマホなどへの充電もできない |
| 機内での置き場所 | 座席上の収納棚に入れず、座席ポケットなど手元に置く |
| ショート対策 | 端子に絶縁テープを貼るか、ケースや袋に1個ずつ入れる |
国土交通省の報道発表(2026年4月14日)と添付の旅客向け案内に基づきます。航空会社によっては、さらに厳しいルールがあります。
容量はWh(ワット時)の数字で確認してください。本体にmAhしか書かれていない場合は、mAhの数字に定格電圧(V)を掛けて1,000で割ると求められます。国土交通省の案内では、27,000mAh・3.7Vの製品が99.9Whの例として示されています。
スマホやゲーム機を機内で充電したいときは、座席の電源かUSB端子を使ってください。長いフライトの前に、空港で各自の機器を充電しておくと安心です。国土交通省は、ルールに反した場合に航空法で罰せられる可能性があるとしています。乗る航空会社の案内も出発前に確認してください。コンセントの形と電圧は、このページの「日本の充電器や家電はスペインでそのまま使えますか?」で説明しています。
お金・通信
現地のお金はどう準備すればいいですか?
スペインはカード社会で、スーパーやカフェでもタッチ決済が普通に使えます。VisaかMastercardのクレジットカード(またはデビットカード)を2枚以上、系列を分けて持つのが基本です。
現金はチップや市場、一部の小さな店用に1人あたり100〜200ユーロ程度あれば十分です。空港での両替はレートが悪いため、日本で少額を用意するか、現地ATMでカードから引き出す方が有利なことが多いです。
スマホは現地でそのまま使えますか?
eSIM対応のスマホなら、渡航前に旅行者向けeSIM(HolaflyやAiraloなど)を購入しておくのが最も簡単です。2〜3週間・データ無制限で数千円程度が目安です。
長期滞在なら、現地キャリア(Movistar、Vodafone、Orangeや格安系のDigiなど)のプリペイドSIMを契約する方が割安です。SIMロックがかかっていないか、渡航前に必ず確認してください。
日本の家族との連絡手段はどうすればいいですか?
LINEやWhatsAppがそのまま使えます。スペインではWhatsAppが標準的な連絡手段なので、現地スタッフやクラブとのやり取り用にインストールしておくことをおすすめします。時差は日本の-7時間(夏時間)または-8時間(冬時間)です。
参考にした一次情報
- 外務省 海外安全ホームページ スペイン 安全対策基礎データ (「査証、出入国審査等」: 短期滞在の査証免除者のパスポートは10年以内に発行され、有効期間が出国予定日から3か月以上残っているもの)
- 大阪府パスポートセンター 未成年者の申請 (満18歳未満は5年用パスポートのみ申請・取得できる。法定代理人の署名が必要)
- 埼玉県パスポートセンター 未成年者の申請 (18歳未満は有効期間5年のパスポート申請のみ)
- 外務省 EES(出入域システム) (2026年4月10日から全面実施。対象29か国にスペインを含む)
- EU公式 ETIAS サイト (2026年9月時点で「運用されておらず申請を受け付けていない」と明記)
- EU公式 ETIAS 申請に必要なもの・手数料 (20ユーロ。18歳未満・70歳以上は免除。未成年は親権者が申請)
- EU公式 EES とは (対象国と短期滞在(180日中90日)の定義)
- EU公式 EES の手続きの流れ (初回は顔写真・指紋を登録。パスポートにスタンプは押されない)
- EU公式 EES よくある質問 (ビザ不要の渡航者は指紋4本と顔写真。12歳未満は指紋を採取しない)
- スペイン 低圧電気設備規則 Real Decreto 842/2002 (BOE) (第4条: 交流の標準電圧は相-中性線間230V、周波数50Hz。ITC-BT-25: 住宅の一般用コンセントは16A 2p+T(UNE 20315 図C2a))
- 電気事業法施行規則 第38条 (e-Gov法令検索) (日本の供給電圧の標準電圧として100Vを定める)
- 国土交通省 報道発表 モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて (令和8年4月14日発表。2026年4月24日から機内持込みは2個(160Wh以下)まで、機内でのモバイルバッテリーへの充電・他の機器への充電を禁止。ICAO国際基準の緊急改訂に準拠)
- 国土交通省 報道発表資料(PDF・旅客向け案内 別紙1を含む) (預け荷物禁止、160Wh超は持込禁止、Wh=mAh×V÷1,000(27,000mAh・3.7Vで99.9Whの例)、端子の保護、収納棚に入れず手元に保管、違反時は航空法で罰則の可能性、航空会社がより厳しいルールを設ける場合がある)
- Orden PRE/1282/2007 入国時に示す滞在費についての省令 (BOE) (第2項: 求められたら滞在費を示す。1日あたり最低賃金(SMI)の10%×日数×同行して負担する人数、滞在日数にかかわらず1人あたりSMIの90%が最低。帰りの航空券(記名・日付確定)も必要。現金・トラベラーズチェック・クレジットカード(口座明細か記帳した通帳を添える。銀行の手紙・インターネットの明細は不可)。示せないと入国拒否)
- Real Decreto 126/2026 2026年の最低賃金 (BOE) (第1条: 2026年の最低賃金は1日40.70ユーロ、月1,221ユーロ)
ご注意
プログラム内容・制度は変更されることがあります。最新情報は各運営者・公的機関の公式情報をご確認ください。