スペインサッカー留学の基礎知識

よくある失敗と後悔しないための注意点Q&A 7問

「思っていたのと違った」はなぜ起きるのか。よくある失敗のパターンと、契約前に確かめておくことを、公的機関の案内とFIFAの規則をもとに整理します。

よくある失敗

サッカー留学でよくある失敗・後悔にはどんなものがありますか?

よく聞かれるものを、原因と、事前にできることに分けて整理しました。

よくある失敗と、その防ぎ方
失敗・後悔主な原因事前にできること
公式戦に出られると思っていたのに、出られなかった18歳未満の国をまたいだ選手登録は、FIFAの規則で原則禁止されている登録の条件を最初に確認する。「試合に出られる」という説明には、どの例外に当たるのかを聞く
練習先やレベルが、説明と違った参加するクラブ・カテゴリー・回数が、契約時に特定されていないどのクラブの、どのカテゴリーの練習に、何回参加するのかを書面で確認する
あとから追加の費用がかかった見積もりに含まれるもの・含まれないものがはっきりしていない手数料・宿泊・食費・渡航費・保険などの明細を出してもらう
キャンセルしたら、高い解約料を請求された留学あっせんの契約には、原則としてクーリング・オフが適用されない解約の期限と解約料の規定を、契約前に書面で確認する
言葉が通じず、孤立した現地の言葉の準備がなく、困ったときに相談できる人もいない最低限の言葉を準備し、現地で誰が・どこまで対応するのかを確認する
けがをしたとき、どうすればいいか分からなかった保険の補償範囲や、現地での受診の流れを確認していない海外旅行保険の補償範囲と、けがをしたときの連絡・受診の流れを確認する

費用・解約に関する点は、日本学生支援機構(JASSO)の留学あっせん業者に関する案内による。同案内によると、全国の消費生活センターと国民生活センターに2021〜2024年度に寄せられた「留学等あっせんサービス」の相談は約1,300件。

失敗の多くは、渡航前の確認不足から始まっています。とくに18歳未満の場合は、「練習に参加できる」ことと「公式戦に出られる」ことを分けて考えるだけで、期待と現実の大きなずれを防げます。

「サッカー留学はひどい」「意味がない」と言われるのはなぜですか?

多くは、期待していたことと、その形の留学で実際にできることがずれていたケースです。たとえば2週間の短期留学に「プロへの道が開ける」ことを期待すれば、失望につながりやすくなります。一方、「本場の基準を知り、自分の現在地を確かめる」ことが目的なら、短期でも得られるものは大きいです。

もう一つは、説明と実際の中身の違いです。練習先のクラブや参加回数が契約時にはっきりしていないと、「思っていた練習ではなかった」という不満になります。意味があるかどうかは、留学そのものより、目的と形が合っているか、中身を事前に確かめたかで決まります。

契約前に確かめること

留学エージェントと契約する前に、何を確認すればいいですか?

日本学生支援機構(JASSO)は、留学あっせんのサービス全体を包括的に規制する法律はなく、業者に国や自治体の許可・登録は必要ない、と案内しています。知名度や金額だけでなく、中身で選ぶことが大切です。確認したい主な点は次のとおりです。

  • 費用の明細: 手数料・参加費・宿泊・食費・渡航費・保険などのうち、何が含まれ、何が含まれないか
  • 代行の範囲と責任の範囲: 業者がどこまで行い、どこから本人が行うのか。現地の委託先がある場合は、その会社との関係
  • 解約の規定: 解約の期限と解約料、サービスの中断・変更の扱い。留学あっせんの契約には、原則としてクーリング・オフが適用されません
  • 難しい点の説明: 良い点だけでなく、苦労する点や、できないこと(18歳未満の選手登録の制約など)を説明しているか
  • やりとりの記録: 契約書・領収書・メールなどを残しておく

航空券や宿泊の手配など旅行業にあたる部分には旅行業法の登録が必要ですが、これは旅行業としての規制で、留学あっせんの業務そのものを規制するものではありません。業界団体(留学サービス審査機構)の認証も、事業者の経営の健全性の目安であって、個々のプログラムの内容を保証するものではない、とされています。エージェントを選ぶ基準は、「留学の種類と選び方」でも整理しています。

「参加費を払えば入団テストを受けられる」という案内は信用できますか?

慎重に見てください。FIFAの規則は、クラブが選手を試す「トライアル」(入団テスト)について、トライアルに関連して金銭を求めたり受け取ったりすることを禁止しています(交通費・宿泊費などの条件を、クラブと選手が所定の書式で事前に取り決める場合を除く)。この禁止はクラブなどFIFAの規則に従う立場の者に向けたもので、参加費を払って参加する民間のプログラムは、そもそもこの規則でいうトライアルとは別のものです。

また18歳未満は、16歳の誕生日を迎えるシーズンに入るまでトライアルを受けられず、受けられる場合も1暦年に2回まで、親の書面の同意が要る、などの条件があります(「年齢別ガイド」の早見表)。有料の練習参加やキャンプそのものに問題があるわけではありませんが、クラブの正式な入団テストと同じものだと受け取らないようにしてください。「入団テスト」「トライアウト」という言葉が使われていたら、どのクラブが、FIFAの規則に沿った手続きで行うものなのかを確認してください。

トラブルになったら、どこに相談できますか?

JASSOの案内では、まず業者と直接話し合い、解決しなければ、住んでいる地域の消費生活センターに助言を求めながら交渉する流れが示されています。その際には、不当に高額な解約金の条項を無効とする規定など、消費者契約法の消費者保護の規定を参照するよう案内されています。業者が業界団体に加盟していたり認証を受けていたりする場合は、その団体への相談も選択肢の一つです。

トラブルに備えて、契約書・領収書・メールの写しと、電話や面談の日時・相手・内容のメモを残しておくことが勧められています。

メリット・デメリットと、決める順番

サッカー留学のメリットとデメリットは何ですか?
サッカー留学のメリットとデメリット
区分内容
メリット本場の同年代の強度や判断の速さを体験して、自分の現在地が分かる/言葉が通じない環境で、自分から伝える力が鍛えられる/語学と異文化での経験が、サッカーの外でも残る
デメリット費用がかかる/18歳未満は現地の公式戦に原則出られない/長く行くほど、日本の学校・受験との両立が課題になる/けがや体調不良のときの負担が大きい

デメリットのうち、公式戦に出られない点と学校との両立は、家族で移住するかどうか、日本の学籍をどう扱うかという設計によって大きく変わります。日本の学校との両立は、「教育・学校」カテゴリの「日本の学籍・受験との両立」で解説しています。

失敗しないために、最初に何を決めればいいですか?

次の順に決めると、選ぶべき形が自然に絞られます。

  • 目的: 体験したいのか、実力を測りたいのか、公式戦でプレーしたいのか
  • 年齢: 18歳未満か以上か。18歳未満で公式戦を目指すなら、家族の移住が前提になる(「年齢別ガイド」の早見表)
  • 誰と行くか: 単身か、親子か、家族での移住か
  • 期間と予算: 短期か長期か。費用の目安は「費用・お金」カテゴリの「短期留学の費用」
  • 国と受け入れ先: ここで初めて、国やプログラムを比べる(「留学先の国の選び方」)

国やエージェントから選び始めると、目的と形がずれたまま契約してしまいがちです。この順番で決めていけば、後悔を減らせます。

参考にした一次情報

ご注意

プログラム内容・制度は変更されることがあります。最新情報は各運営者・公的機関の公式情報をご確認ください。

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