スペインサッカー留学の基礎知識

留学先の国の選び方(スペインと他国の比較)Q&A 7問

18歳未満の選手登録のルールは、どの国でも同じです。国を選ぶ前にこの点を押さえたうえで、滞在の制度・言葉・家族で暮らせるかで比べます。

国を問わず共通のルール

ドイツやイギリスなら、18歳未満でも単身で公式戦に出られますか?

出られません。18歳未満の国をまたいだ移籍と、外国籍の選手の初めての登録を原則として禁止しているのは、スペインの法律ではなくFIFAの規則です。FIFAの規則は世界共通で拘束力を持つルールです。第19条については、各国の協会が自分の規程にそのまま取り込むことが義務づけられています。ドイツでもイギリスでも、ほかの国のクラブでも、この原則は同じです(登録の手続きの細かな部分は、各国の協会ごとに確認が必要です)。

例外の中身(親がサッカーと無関係な理由で移住した場合など)も、国によって変わりません。16〜18歳の例外はEU/EEAの域内の移籍などに限られるため、日本から渡航する場合には当たりません。「この国なら中学生でも試合に出られる」という案内を見たら、どの例外に当たるのかを必ず確認してください。

では、国によって違うのは何ですか?

主に次の4つです。

  • 滞在の制度: 長く滞在するための滞在資格(ビザ)の種類と条件は国ごとに違います。18歳以上なら、ワーキング・ホリデーを使える国もあります。
  • 言葉: 練習も生活も、その国の言葉で進みます。英語圏なら準備の負担は軽くなりますが、スペインやドイツでは現地の言葉が必要です。
  • 家族で暮らせるか: 18歳未満で公式戦を目指すなら、親が仕事や生活の理由で移り住むことが前提になります。親が働ける・暮らせる制度があるかどうかが、国選びの中心になります。
  • リーグと育成の仕組み: 育成年代のリーグの組み方や、プロクラブの下部組織への入り方は国ごとに違います。スペインについては「スペインサッカー事情」カテゴリで解説しています。

主な国の比較

スペイン・ドイツ・イギリスなど、主な国を比べるとどうなりますか?

日本人の選手に関わる違いのうち、公的な情報で確かめられるものを表にしました。サッカーのレベルやスタイルの比較は、年代・地域・クラブによって大きく変わるため載せていません。

サッカー留学先の主な国の比較(2026年9月時点)
国主に使われる言語日本とのワーキング・ホリデー(開始年・年間発給枠)18歳未満の選手登録
スペインスペイン語2017年〜・700人FIFA第19条により原則不可(例外あり)
ドイツドイツ語2000年〜・枠なしスペインと同じ
イギリス英語2001年〜・6,000人(最長2年)スペインと同じ
フランスフランス語2000年〜・1,800人スペインと同じ
イタリアイタリア語2026年〜・500人スペインと同じ
ポルトガルポルトガル語2015年〜・枠なしスペインと同じ
オランダオランダ語2020年〜・200人スペインと同じ
オーストラリア英語1980年〜・枠なしスペインと同じ
韓国韓国語1999年〜・10,000人スペインと同じ
アメリカ英語制度なしスペインと同じ

ワーキング・ホリデーは外務省の案内(2026年4月1日現在)による。対象は原則として申請時に18歳以上30歳以下(オーストラリア・韓国などは原則25歳以下で、相手国政府が認める場合は30歳以下)で、子どもや被扶養者は同伴できない。イギリスはユース・モビリティ・スキームとして最長2年の滞在が認められている。選手登録はFIFA「選手の地位と移籍に関する規則」(2025年1月版)第1条・第19条による。

表のとおり、18歳未満の選手登録の条件はどの国も同じです。国による違いが大きく出るのは18歳以上で、ワーキング・ホリデーを使えるかどうかで滞在の選択肢が変わります。ただし、ワーキング・ホリデーは子ども連れでは使えないため、家族での移住の手段にはなりません。

サッカーのスタイルで国を選ぶべきですか?

国ごとにプレーの傾向の違いはありますが、同じ国の中でも地域・クラブ・指導者によって大きく違います。まず「何歳で・どのくらいの期間・誰と行くか」で選べる形を絞り、そのうえで実際の練習を見て判断してください。国の比較だけで決めるより確実です。

スペインと日本の違いについては、「スペインサッカー事情」カテゴリの「日本とスペインのサッカーの違い」で解説しています。

スペインを選ぶ場合

スペインがサッカー留学先に選ばれるのはなぜですか?

理由は大きく3つあります。

  • 育成年代のリーグが州・県ごとに細かく組まれていて、地域クラブの公式戦がプロクラブのスカウトの対象になっている(「スペインサッカー事情」カテゴリの「育成年代のリーグ構造」「カンテラ(プロ下部組織)への道」)
  • マドリードやバルセロナ以外の地方にもプロクラブが多い。たとえばアンダルシアには、2026/27シーズンに1部・2部で計7クラブがある(「アンダルシアのサッカー環境」)
  • 親が日本の仕事を続けながら住むデジタルノマドビザなど、家族で移り住むための滞在資格の選択肢がある。18歳以上はワーキング・ホリデーも使える

一方で、18歳未満の選手登録の制約はほかの国と同じです。スペインを選んでも、単身の子どもが公式戦に出られるようになるわけではありません。

スペインが向いていないのはどんな場合ですか?
  • 英語の習得もあわせて目的にしたい場合: 練習も学校もスペイン語で進むため、英語圏の方が目的に合います。
  • 18歳未満で家族の移住は考えられないが、公式戦には出たい場合: どの国でも同じ壁があるため、国を変えても解決しません。18歳を待つか、短期の練習参加で経験を積む形になります。
  • 親が現地で仕事を続けられる見通しが立たない場合: 家族での挑戦は、親の仕事と生活が先に成り立つことが前提です。見通しが立たないうちは、移住を急がないことをおすすめします。
家族で移住して挑戦する場合、国選びで何を見るべきですか?

FIFA第19条の「親の移住」の例外は、親がサッカーと関係のない理由でその国に移り住むことが条件です。そのため、国選びで最初に見るべきなのは、サッカーの環境より「親が合法的に働き、家族で暮らせる滞在資格があるか」です。

スペインには、日本の仕事を続けながら住むデジタルノマドビザや、現地での就労・自営のための滞在資格があります。一方、就労が認められない非営利居住ビザでの滞在は、例外の審査で不利になる可能性がある点に注意が必要です。詳しくは「FIFA規定・選手登録」カテゴリの「例外規定(19条2項)の適用条件」と、「スペインのビザ・滞在許可」カテゴリをご覧ください。

参考にした一次情報

ご注意

プログラム内容・制度は変更されることがあります。最新情報は各運営者・公的機関の公式情報をご確認ください。

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