スペインでの生活
医療・保険Q&A 9問
子どもがケガをしたらどうするか。公的医療と民間保険の使い分け、ビザ用保険の要件、サッカーのケガへの備えを解説します。
医療制度の基本
スペインの医療制度はどうなっていますか?
スペインの医療は、国民保健システム(SNS)による公的医療と、民間保険・私立病院の二本立てです。就労者や自営業者が社会保険料を納めていれば、家族も含めて公的医療を原則無料で利用できます。質は高い一方で、専門医の受診や手術までの待ち時間が長いのが弱点です。
そのため、公的医療の対象者でも民間保険に入り、私立病院と使い分けるのがスペインの中間層では一般的です。
移住したら家族は公的医療を使えますか?
親が就労者(デジタルノマドビザで社会保障に加入する場合を含む)またはautónomoとして社会保険料を納めていれば、扶養家族も公的医療の対象になります。利用するには、住民登録と保健カード(tarjeta sanitaria)の取得が必要です。
働かずに滞在する場合(非営利ビザ等)は公的医療の対象外なので、民間保険が欠かせません。アンダルシアには、一定の居住実績があれば加入できる公的医療の有償枠(convenio especial、65歳未満は月60ユーロ/人)もあります。
民間医療保険はいくらくらいかかりますか?
目安は1人あたり月45〜80ユーロです(年齢や補償内容によります)。大手はAdeslas、Sanitas、Asisaなどで、Sanitasは英語対応に強みがあります。ビザ申請では「自己負担(copago)ゼロ・本人負担なしのフルカバー型」が要件になるため、格安プランでは要件を満たさない点に注意してください。
3人家族なら、月150〜250ユーロ程度を予算に入れておくと安心です。
サッカーのケガ・救急
練習や試合中のケガはどう扱われますか?
連盟に登録(ficha)している選手には登録に付帯するスポーツ保険(seguro deportivo/mutualidad)があり、公式活動中のケガは指定の医療機関で治療を受けられる仕組みになっています。一方、登録していない練習生や短期参加者はこの保険の対象外です。必ず自分で保険(海外旅行保険・民間医療保険)に入ってください。
短期留学では、「スポーツ中のケガをカバーするか」を保険選びの必須条件にしてください。
救急のときはどうすればいいですか?
緊急通報は112(EU共通・24時間)で、警察・救急・消防のすべてにつながります。命に関わる状況では、公立病院のUrgencias(救急外来)に行ってください。緊急時は、在留資格や保険に関係なく治療を受けられます。
症状が軽ければ、まず薬局(Farmacia、緑の十字が目印)で相談するのがスペインでは一般的です。薬剤師の裁量が広く、簡単な症状への対応や市販薬選びを手伝ってくれます。
日本語や英語が通じる病院はありますか?
アンダルシアでは、日本語に対応した医療機関はほぼ期待できません。マラガなど外国人の多い都市の私立病院では英語が通じることが多く、民間保険(特にSanitas系)の提携病院なら英語で予約や受診がしやすくなります。
受診に備えて、症状・既往歴・アレルギーをスペイン語で書いた「医療カード」を用意しておくと安心です。私たちのプログラムでは、医療機関への同行と通訳のサポートを重視しています。
日常の健康管理
子どもの予防接種や健康診断はどうなりますか?
スペインにも小児の定期予防接種カレンダーがあり、公的医療の対象者は無料で受けられます。就学時に接種記録の提出を求められるため、日本の母子手帳の記録を英語かスペイン語に訳して持参してください。日本と接種スケジュールが違うワクチンもあるので、渡航前にかかりつけ医に相談しておきましょう。
学校・クラブによってはスポーツ参加への健康証明(certificado médico)を求められることがあります。
夏の暑さで体調管理に気をつけることはありますか?
アンダルシア内陸部の夏は40度を超えるため、日本以上に熱中症対策が必要です。練習は朝か夕方に組まれるのが普通で、日中(14〜18時)の屋外活動は避けるのが現地の常識です。水分は練習前からこまめにとらせてください。経口補水液のパウダーがあると安心です。
沿岸のマラガ圏は内陸より5〜10度低く過ごしやすいため、夏の短期プログラムは沿岸部での開催をおすすめしています。
歯医者や持病の治療はどうすればいいですか?
歯科は公的医療ではほとんどカバーされず(抜歯など最低限のみ)、自費か、歯科を含む民間保険で治療を受けることになります。虫歯の治療は必ず渡航前に済ませておいてください。
持病がある場合は、英文の診断書と処方内容(一般名で表記)を持参し、現地で継続して処方してもらえる医師を早めに探してください。処方薬の多くは薬局で安く手に入りますが、日本と同じ薬剤があるとは限りません。
ご注意
生活情報と価格は2026年時点の目安で、都市や時期によって変わります。