教育・学校
現地公立校・編入手続きQ&A 9問
スペインの公立校は、外国人の子どもをどのように受け入れているのでしょうか。編入の手続き、スペイン語がまったくできない子への支援制度、学校生活を解説します。
編入の手続き
外国人の子どもでも公立校に入れますか?
入れます。スペインでは6〜16歳が就学義務年齢です。滞在資格の種類を問わず、スペインに住む子どもには教育を受ける権利があります。公立校の学費は無償です(教材費・給食費などは実費)。
むしろ、義務教育年齢の子どもを就学させないことが問題になります。移住後の就学手続きは、最優先で進めたい手続きの一つです。
編入手続きはどう進めますか?
大まかな流れは、(1)住民登録(empadronamiento)を済ませる、(2)自治体・州の教育窓口に就学申請(escolarización)を出す、(3)学区と空き状況に応じて学校が割り当てられる、(4)学校で入学手続きをする、です。アンダルシアでは州の制度に基づいて運用されています。
通常の入学時期は9月(出願は春)ですが、年度途中の転入にも随時枠(plazas sobrevenidas)で対応してもらえます。必要書類は、子どものパスポートまたはTIE、予防接種記録、それまでの在学証明などです。
学校は自由に選べますか?
公立校は住民登録の住所に基づく学区制です。希望は出せますが、通えるかどうかは空き状況によります。人気校は定員が埋まりやすく、年度途中の転入では選べる学校が限られることもあります。
そのため教育移住では、家探しの段階で「どの学校の学区に入るか」を考えておくのが基本です。学校の外観・通学路・周辺環境は、移住前の下見滞在でも確認可能です。
スペイン語ゼロへの支援
スペイン語が全くできない子どもは公立校でやっていけますか?
アンダルシアの公立校には、スペイン語を母語としない生徒のためにATAL(言語適応特別教室)という制度があります。子どもは通常クラスに在籍しながら、週数時間、スペイン語の取り出し授業を受けられます。
小学生なら半年〜1年で日常会話に困らなくなるケースが多く、学齢が上がるほど適応に時間がかかる傾向があります。学校を選ぶときは、ATALの体制があるかを確認してください。
授業についていけるようになるまで、家庭では何をすべきですか?
(1)渡航前からスペイン語の基礎(挨拶・数字・教室で使う表現)を身につける、(2)現地で個人レッスンやオンラインレッスンも受ける、(3)学校からの連絡(アプリやプリント)を親が翻訳ツールで確実に把握する、の3つが効果的です。
サッカーをしている子にとっては、クラブがいちばんの語学学校になります。友達ができると、言葉は一気に上達します。
学校生活で日本と大きく違う点はありますか?
主な違いは、(1)午前中心の時間割(14時頃に下校する学校が多い)、(2)給食は選択制で、帰宅して昼食をとる子も多い、(3)部活動がなく、スポーツは地域クラブで行う、(4)夏休みが約3ヶ月(6月下旬〜9月上旬)と長い、(5)保護者への連絡はアプリやWhatsAppグループ経由、といった点です。
スペインでは「学校は勉強の場、スポーツと社交は地域」という役割分担がはっきりしています。スペインのクラブサッカー文化を支えているのは、この分担です。
中高生の編入
中学生年代(ESO)への編入は難しいですか?
小学生より言語のハードルは上がりますが、ESO(義務教育中等課程、12〜16歳)への編入は制度上ふつうに行われています。原則として年齢相当の学年に入り、言語面の支援を受けながら授業を受けます。
学習内容は、数学など言語への依存が低い科目から追いつき、社会や言語系の科目には時間をかける、という順で慣れていくのが現実的です。
日本の中学を卒業してから行く場合、高校(Bachillerato)に入れますか?
16歳以降の後期中等課程(Bachillerato)は義務教育ではありません。そのため編入には、日本の中学卒業(9年間の課程修了)をスペインの制度上で認めてもらう学歴認証(homologación)の手続きが必要になるのが通例です。申請から認証まで数ヶ月かかることがあるので、渡航前から準備を始めてください。
必要な手続きは個々の状況によって異なります。編入予定の州の教育当局や専門家に、事前に確認することを強くおすすめします。
サッカーと学業は両立できますか?
スペインの育成年代の練習は週3〜4回、夜(19時前後〜)が標準です。学校は14〜15時に終わるため、日本の部活より学業と両立しやすくなっています。平日は宿題、merienda、練習、夕食という流れが典型的です。
一方、リーグ戦は週末にあります。学業の評価も継続的な提出物やテストで決まるため、自己管理の習慣は欠かせません。
ご注意
就学手続き・学費は自治体・学校・年度により異なります。最新情報は各教育委員会・学校の公式情報をご確認ください。